ネクスト杉山

余りに大きな犠牲を払ったが、ようやくアルコール依存症を乗り越えたドラマーの、明日への布石

食事中って皆さん

家族で会話しつつ。好きなTV番組を見つつ。
新聞や雑誌を読みつつ。お坊さんでもない限り、
お一人お一人の習慣ってあると思います。

私は現在一人暮らしですので、TV見ながらとか
PCでyoiutube流しながら等となりがちです。

これが精神病院となると

TVもラジオもない。本等読むと怒られる。
30センチ横、並びに真向かいには依存症患者。
会話なんてありゃしない。ま、ない方がいいが。


食事時間はものの10分もあれば完了、
後は配給ワゴンにトレーごと自分で戻す。

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この画像は当該病院ではないが、イメージはそのままだ。以下webより拝借。

karapaia.com

あらゆる金属はさび付き、開けられない窓は
全てひびが入っている。タイルはほぼはがれており
手を触れる部分全て塗装がはがれている。

それでも慣れとは恐ろしい。
そんな中で食事するのが普通になってしまうのだ。
逆にそのために「退院~一人」で食事がとれず
酒を買ってしまって病院に逆戻り。これ実際に多い。

改めて思うんだ。食事は満たされた心で頂きたい。
まぁ現在は一人暮らしなので、家族の団欒はない。
当初は孤独感で気が変になりそうだったが、
5月25日の入院から11か月。つまり独りになって
11か月だ。さすがに慣れてきたようだ。

その代わり、一人でも気持ちよくおいしく楽しく
食事できるように手を抜かずに支度するんだ。

それ自体が楽しいんだよね。

そうなんですよ、念のため

私は100%自炊していますので調味料は
その辺のご家庭に負けないだけあります。

でもね、持つわけにいかないものがあるんです。

赤ワイン、料理酒、みりん

これは使うわけにいかない。肉料理に赤ワインを
使いたい場合はコンソメやデミグラスソースを使おうか。

料理酒やみりんを使いたい場合は「みりん風調味料」だ。
砂糖の配分次第でうまい事運んでやればいい。

チョコレートが好きなんですが、酒入ってるのは
絶対ダメ。栄養ドリンクもアルコールが入ってるので
飲むわけにいきません。実はその辺、厳しく律しています。

日常って何だろう

「日」の「常」か。特段の出来事らしいことが
見当たらない、いわゆる「いつもの日」かな。

そうだとするならば、俺はようやく最近の日々が
日常になって来ているように思うんだ。
つまりそれまでは非日常だ。だってつい先日まで
横に居て当たり前だった元妻がいないんだから。

でも、俺の横からいなくなって11か月。
さすがに居ないのが普通に、日常になって来ている。

今日は単なる買い物として、楽器が大量にある
中の島のハードオフに行ってみた。

ドラム関連に目新しいものはなかったが
オフハウスにあったこのジャケット。DIESEL
春物だ。白と黒でデザインされたブーツがあり、
それに合わせる服がなかったのでちょうどよかった。
¥1,650だもん、許されるよね。

その後隣接する生協で調味料他食材の買い出し。
¥2.600だった。ちょっと贅沢したかもしれないが
どっちみち使うものなのでいいだろう。


そんな行動が平常心で出来るようになってきている。

明日は急遽の歯医者からデイケア
そして土曜日は制作作業、日曜日はリハーサルだ。

時間って優しいんだな。あれだけの寂しさ、悲しさ、鬱が
静かに薄くなって行く。それ自体が悲しいともいえるが
俺は本当にゆっくりとだが、立ち直って行く。

幸せに暮らすということ

なんてことをblogネタにしてる段階で、俺は幸せだ。
不幸な人間はそんなことを考えないと思うから。

  • 家具家電は元家族で使ってた高級なものだ
  • ネット回線無料!
  • 近所にスーパーが三軒コンビニ6軒

そんな環境方面が確かな幸せをもたらす。
地下鉄も徒歩7分だし、北洋銀行ATMは駅前の
マックスバリュ二階に二台あるよ。

音楽をやってる時間が一番幸せなんだ。
そしてその自分自身のグレードはどうか。
まだリハーサル中だからバンドの音楽は出せないが
ドラマーとして個人は問題ないだろう。確認してみよう。


www.youtube.com



www.youtube.com

よし。俺は幸せだと言えるだろう。

そう言えるようになるまで時間がかかった。

一人で暮らす部屋。TV見てて声を出して笑える。
美味しい食事に、つい笑みが出る。幸せを感じる。
息子とバンドの話でメッセンジャーを操作する。
心から幸せを感じる。リハーサルの前日は楽しみで
ワクワクする。別に大した用事じゃなくても
一人スタジオに入ってドラムセットの調整をし
軽く叩いて確認、動画撮影してSNSやyoutube
上げたりしている。麦茶が旨い。お金が減らない。

飲んでいた頃の地獄って一体何だったんだ。
俺は飲んでさえいれば幸せだと思っていたし、
そもそも飲まない選択肢がなかったんだ。
何が何でも飲んで泥酔していないとダメだった。



俺もさることながら、家族の悲しさ、つらさは
どれほどのものだったか。そんなことも顧みずに
俺は隠れ飲み隠れ酒、朝や昼から公園や路上で
飲んでは転倒していた。駅コンコースや通路で
飲みながら歩き、転んだり寝込んだりしていた。



一滴も飲まなくなって10か月。
同時にタバコもやめた。炭酸飲料も
ファストフードもジュースもカップ麺も
やめた。その結果。とても寂しく家族が恋しいが


そこも含めて幸せだ。俺は幸せなんだ。

入院前後の摂取物

* ◆食わなくなったもの◆

マック、ケンタ等のファストフード。
吉野家松屋すき家等の気軽外食。
コンビニの弁当、総菜、パン、イートイン物。
持ち帰り弁当、スーパーの弁当、お総菜。
外食のうどんそばラーメンカレー。
ポテチ、枝豆、焼き鳥、刺身、寿司。


* ◆飲まなくなったもの◆

酒。
コーヒー、紅茶、乳酸菌飲料、栄養ドリンク、
コーラ、サイダー、ジュースと呼ばれる全て。



朝の牛乳以外は麦茶しか飲まない、
食べるものはすべて自炊だ。
ま、チョコレートは食べちゃうんだけど。
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寂しさを乗り越える?なぜ

乗り越えなくては、絶対にダメなのか?

そうは思えなくなってきた。俺は感じないようにしているが
間違いなく寂しい。もちろん自らのアルコール依存が招いた
あたりまえの結果なので、その是非はどうでもいいんだ。

ただ、どうしょもなく寂しい。

大げさじゃなく、数分に数度、幸せだったころの我が家を
思い出すんだ。そして現在の自分との違いに思いが至る。
そして、最近「それでいいんじゃないか?」って思う。

入院していた頃の地獄、酒害真っ最中の地獄、飲食店の地獄、
そこを思えば現在なんて優雅とさえ言えるだろう。
それでも寂しいんだから、そのまま受け入れるんだ。

寂しいから、俺はやるべきことにまい進する。
良いものをクリエイトし、最高のドラミングで応えてやる。

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アルコール依存症患者にありがち

今思うと入院中、その姿を毎日見ていた。

夕食は6時からだ。一般市民生活から見たら
早いと思うが、規則的な生活をと言うことなんだろう。

食後は皆思い思いに洗顔、歯磨き、読書、会話、
デイルームでのTV、一部用意されたソファで
三々五々集まって会話するでもなく座っている。

9時の消灯、10時のTVオフまでの3~4時間で
コーラのわけ合いが始まる。2リットルのコーラを
皆でコップに分け合う。毎晩だ。このコーラは
誰かが病院の売店で購入したものだ。

外出一切禁止(「赤」と呼ばれる)の患者は
週に一回、スタッフさんに頼んで買い物に行ってもらう。
この売店、入院に必要なあらゆる商品が売られている。


シャンプー石鹸、歯磨き粉歯ブラシ、タオルあかすり、
短パンスェット、Tシャツカーディガン、ティッシュ
お菓子アイスふりかけ塩醤油ごはんですよ、海苔、
あらゆる飲料、ライター、携帯灰皿・・・


全商品が定価販売
である。2リットルのお茶が300円だ。
これは仕方がないんだ。サービス業じゃないから、
サービスもへったくれもない。あくまでも定価販売だ。

それでも「赤」ならばスタッフに依頼するしかない。
俺はスーパーアークスで2リットルのお茶が80円なのに。

コーラはアルコール依存症患者の友である。

それと、消灯前のカップ麺だ。俺は全く陥らなかったが
実に多くの患者がカップ麺を食していた。
口寂しいということらしいのだが。

俺は炭酸飲料もカップ麺も口にしていない。
昨年の6月15日、入院中のこの日から今までずっと。
どちらもアルコール訴求につながり、誘発されるとのことで
「酒をやめる」と決めて以来、口にしていない。

かつて俺には何の意志もなかった

多分4年以上あったと思う。
ただただ飲んでいればそれでよかった。

朝方コンビニに向かい、ストロングを買う俺。
すぐそばの公園ベンチでタバコを吸いつつ
ストロングを飲む俺。500mlで3本以上飲んでいた。


何もかもが面倒くさいんだ。

今思うと信じられないが、紛れもない過去の事実だ。



今日、断酒会のミーティングだった。
まだ飲んでいる会員の話が出る。
最近よく閲覧するwebの話もした。ここだ。

alcoholic-navi.jp

血の気も引くような体験談がてんこ盛りだ。
他山の石とは出来ない。自分だってそうだったんだから。


その後、一人スタジオに入ってドラムセットに関する
ちょっとした調整と確認を行った。その模様を以下に。

youtu.be


その調整とは、こんな小さなフェルト製のシンバルワッシャーだ。
それを標準よりも小さいものに変えるだけでサウンドは激変する。

youtu.be


こんなことはミュージシャンじゃなければ一体何のメリットがあるか
ばかばかしく見えると思う。当然だ。だがドラマーの俺にとって
絶対に欠かせない作業なんだ。南平岸から麻生まで行き、
徒歩20分のスタジオに2時間一人で入り、お姉を払って作業する。

酒害中は絶対に出来なかったことだ。

間違いなく回復してる、その証拠だ。自信を持っていい。

自分の意志で動ける幸運

これが勤め人だったら。

決まった時間に起床し、
仕事にあった服装に着替え、
職場まで何らあの手段で移動し、
定時に仕事が始まり、
正午から一時間程度の食事時間、
午後から夜まで働き、次の休みを
心待ちにしつつ帰宅し、夕食。


もちろんもっと厳しかったり休憩時間なんてない、
休日も出勤と言うヘヴィーな環境下に置かれている
方々もいらっしゃるだろうが、まぁあくまでも一例だ。

上に書いた「仕事してる日常」に、
自らの意志ってあるのか?ないんじゃないか?

別に勤め人に限った話じゃない。先生、政治家、
主婦、学生、労働者、求職者、皆、自らの意志で
何かを決めてそこに向かって進んでいる人、
何%位いるんだろうか。

手前みそだが、俺はその数少ない数パーセントに
含まれている。明日は自分の意志で断酒会に参加し
その後スタジオに入ってドラムセットの調整と
練習をする。全部自分の意志で。

ゆっくりすることが出来なかった

例えば。


  • 風呂上がりにTV見てゆっくり休む
  • 土日。仕事もないので無目的にスーパーへ
  • 昼寝する。
  • 朝方まで夜更かしする

いずれも確かにだらしないが、まぁ別に大騒ぎするような
不祥事でもあるまい。だが退院してからしばらくの間、
俺はこのようなちょっとしたサボり、休みをとれなかった。

とにかく馬車馬である。睡眠時以外は必ず何らかの作業、
調べもの、諸連絡など、休むことなく動き回っていたんだ。

そうしないと自分が速攻で崩れ落ちそうだった。
精神のダメージを見たくなかった。一人暮らしで通院し
酒害の治療をする現実を認識したくなかった。

俺には俺だけが出来る役割があるんだ。
そう思いたかったんだと思う。


今は必要な時は何時間でも仕事をやめないが昼寝もする。

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ここが俺の部屋、居間である。家族で使っていた家具だ。
滅多にないが何の予定もない日はゆっくりとTV見て
SNSやって、好きな料理を作る。現実は受け入れている。
今日は日曜日。本当はスタジオに入ろうとしていたが
時間が合わなかったので急遽一日空いた。雨だし、
久しぶりにゆっくりすることに決めた。

こうなれたのは本当に最近だ。落ち着いてきているんだ。
明日は断酒会、続いて一人スタジオ入りして
ドラムセットの整備と練習をしようと決めている。

実はお金を貯めようかと思っている。