アルコール依存症患者にありがち
今思うと入院中、その姿を毎日見ていた。
夕食は6時からだ。一般市民生活から見たら
早いと思うが、規則的な生活をと言うことなんだろう。
食後は皆思い思いに洗顔、歯磨き、読書、会話、
デイルームでのTV、一部用意されたソファで
三々五々集まって会話するでもなく座っている。
9時の消灯、10時のTVオフまでの3~4時間で
コーラのわけ合いが始まる。2リットルのコーラを
皆でコップに分け合う。毎晩だ。このコーラは
誰かが病院の売店で購入したものだ。
外出一切禁止(「赤」と呼ばれる)の患者は
週に一回、スタッフさんに頼んで買い物に行ってもらう。
この売店、入院に必要なあらゆる商品が売られている。
シャンプー石鹸、歯磨き粉歯ブラシ、タオルあかすり、
短パンスェット、Tシャツカーディガン、ティッシュ
お菓子アイスふりかけ塩醤油ごはんですよ、海苔、
あらゆる飲料、ライター、携帯灰皿・・・
全商品が定価販売である。2リットルのお茶が300円だ。
これは仕方がないんだ。サービス業じゃないから、
サービスもへったくれもない。あくまでも定価販売だ。
それでも「赤」ならばスタッフに依頼するしかない。
俺はスーパーアークスで2リットルのお茶が80円なのに。
コーラはアルコール依存症患者の友である。
それと、消灯前のカップ麺だ。俺は全く陥らなかったが
実に多くの患者がカップ麺を食していた。
口寂しいということらしいのだが。
俺は炭酸飲料もカップ麺も口にしていない。
昨年の6月15日、入院中のこの日から今までずっと。
どちらもアルコール訴求につながり、誘発されるとのことで
「酒をやめる」と決めて以来、口にしていない。