313 入院記念日
昨年の今日、５月25日。俺は小樽いしばし病院に入院した。
体感時間は2年半と言うところか。
たった一年しか経っていないのが信じられない。
忘れもしない去年の今日、俺は13時の約束で小樽に向かう。
当時の妻の運転で、息子と俺、家族三人で一緒に行った。
思ったよりも早く着いてしまい、三人は昼食を共にする。
せっかくの小樽なので「なると」に向かった。
ちょうど一年前。今よりもずっとコロナに対して皆敏感だった。
ご覧のなると本店は持ち帰りのみだったんだが、
スタッフの案内でウイングベイ店では通常営業と聞き、
そちらに向かった。
それぞれ好きなものをオーダーする。
ここ何十年変わらない
普段通りの世間話、下らない話で笑う。
こんなことももうないのか。
この昼食の時間がとてつもなく
貴重に思える。いや、貴重なんだ。
その認識が俺には足りず、
と言うより全然なく、
自分の事ばかり考えていたんだ。
そして隙間なく飲み、酔い、酩酊し、毎晩荒れ、ケガをし、
救急搬送され、警察のお世話になったんだ。
食事を用意してくれる妻の思い、
家族でＴＶ見て大笑いの大切さ。
一番大切なものを失おうとしている
そう言えば入院前の1～2か月、毎晩のように三人で
これからの事や精神的なこと、人生のこと、互いへの思い、
本当に毎晩語り合ったんだった。
バラバラになってしまう、その前の貴重な日々だった。
そして食後、いしばし病院に向かった。
三人で正面から入り、呼ばれるのを待つ。
やがて血液検査などが行われ、瞬時に昨晩まで飲んでいたことが
指摘される。三人は院長室に通され、入院への説明を受けた。
そして俺だけが呼ばれ、閉鎖病棟へ向かった。
退院まで、家族とはそれっきりだった。
そして退院まで、俺の地獄が始まった。
http:// https://www.instagram.com/sugi1023jp/
https://twitter.com/drum92594656
