ネクスト杉山

余りに大きな犠牲を払ったが、ようやくアルコール依存症を乗り越えたドラマーの、明日への布石

315 アダルトチルドレンだった

初日に購入した本は、あたかも俺のことが書いてあったかのようだった。育ちである。俺は典型的なアダルトチルドレンだった。機能不全家庭で育ってしまっていた。

父はまず酒だ。

飲んでふらついていたり、夫婦喧嘩ばかり見せられた。毎晩キザクラだ。そして時折タッパを持たされ、夜遅く居酒屋へお使いを命じられた。煮込みを買って来いと言うことだ。


ある夜遅く、また煮込みを頼まれた俺は、帰宅のとき自転車で転んでしまい、煮込みを路上にぶち撒いてしまった。子供心に「せっかくお父さんが楽しみに待ってるのに、、、」俺は帰ることができず、いつまでも泣いていたのを覚えている。

パチンコ、麻雀、競輪、競馬。
あらゆるギャンブルをやっていた。

そんな日々だ。母との折り合いは決して良くはなく、無数に殴り合い怒鳴り合いを見せつけられた。それだけじゃない。何の予備知識もない俺の目の前で性行為を見せつけられた。見ろ、見ろと叫ぶ父、動物のように叫ぶ母、俺はその後どうしたのか覚えていない。

そして母はそんないら立ちを全て俺にぶつけていたかのように感じる。違うかもしれないが、俺にはそう感じられる。母は首尾一貫して

「自分は悪くない」
その証明として生きているかのようだ。今もそうだと思う。絶対に自分の責任は取らない。母の脳内では自分は悪くない。何があろうと父のせいであり俺のせいであり、自らの出生のせいであり義父、義母、実母のせいだった。

わかるか?何もしていない俺の目の前で、俺の目をずっとずっとにらみ続ける母の目、その恐怖を。母は、俺が生まれた瞬間から「俺に殺される」と思い込んでいた。これは母本人から直接聞いたことなので本当にそうなんだろう。
特に笑ったりはしゃいだりすると、ぞっとするほど怒られた。俺だって遠足の時、友達と遊んでる時、そりゃ楽しいさ。でもおれが楽しそうにすると決まって母は俺を罵倒し暴力で押さえつけた。「楽しそうにするな」「恥ずかしい恥ずかしい」「笑うな」と。


俺は自分でも気が付かないうちに、親の目を、顔色を常に窺う子供になっていた。ま、それはそれで怒られるんだが。「人の顔色ばかり窺いやがって」と言う母の口癖はよく覚えている。

ということは?つまり自分が何をどう考えるかと言う理性や知性、自覚など成長過程で造り上げて行く時期に、相手の顔色で物事を判断する人間になるしかない。俺の考えなど話してはいけないのだ。考えてはいけないんだ。怒られるから。楽しんじゃいけないんだ。怒られるから。相手の空気を、目を、顔色を見て生きるんだ。痛い目に合わないように。怖い目に合わないように。

そうやって俺と言う人間が培養されていった。


自分を認めるどころか、まずは自分を否定しなくては生きていけなかった。俺は自分をダメな人間と思い、そうであるように、ダメな人間としてふるまうことによって母のお眼鏡にかなうということになるんだ。


ドラムのことを考えている
時間だけが裸の自分でいられた。

f:id:sugiyama-yuuichi:20210526181728j:plain

大人になって、一見「自信満々」「自分大好き」「オレサマ杉山」と思われがちだったが、それは「ダメな自分と言う劣等感の裏返し」に過ぎなかった。劣等感がすごかったから仕事も音楽も人一倍努力した。ドラムの練習など、気が違ったかと言われるほどに練習した。

そして、唯一のよりどころであり
自分が自分でいられる音楽。
=ドラムが叩けなくなった。

俺は壊れた。


http:// https://www.instagram.com/sugi1023jp/​

https://twitter.com/drum92594656​

http:// http://blog.livedoor.jp/sugi_g/

www.facebook.com

www.youtube.com