327 入院患者の実態
これも一部フェイクありですが、基本的には
全て事実として記述いたします。
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入院1年9か月、50前後と予想、A氏<<
A氏は大柄だ。癖のある歩き方であり、丸刈り。
俺が仕事の電話で「電話が許されているエリア」で
通話していた時、通りすがりざまに「声がでけぇって
お前の家じゃねぇんだっつうんだよおら」と言いつつ
一瞥もせず通り過ぎて行ったことがある。
完成していない刺青が入って入る。ワンポイントか。
多分誰が見ても牢名主的な存在と思うだろう。
共用の大型冷蔵庫があり、患者が飲み物や調味料などを
保管している。なお常時盗難騒ぎがある。
冷蔵庫の上段、冷凍庫で氷を大量に作っている。
飲み物のために皆で使うのだが、その製氷作業を
A氏が担当して・・・と思ったら誰にも誰にも頼まれて
いなかった。自分でやっていたらしい。
製氷室を開け放しで飲み物の作業をしている患者を
見ると「開けっ放しにするなっちゅうの、溶けるって
お前、わかるべやこの」と怒鳴るんだ。俺もそう
大声で怒鳴っれたことがある。
ところが翌日になると「昨日は俺、ちょっと言い方が
ひどかったと思って、ごめんなさい」などと言う。
バス停で会ったことがあり、ちょっとだけ会話した。
そこで1年9か月の入院と知り、大変ですねと言うと
もうあきらめていると言っていた。自ら入院生活を
アディクションだと言っていた。依存のことだ。
俺が後一か月で退院だという頃、冷凍庫に関する
もめ事を犯し、3-2(我々がいるのは3-1)の
完全閉鎖病棟に強制隔離されていた。その後姿は
見ていない。
この項、さらに続きます
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