334 退院の日
ついに迎えた10月1日。俺は元妻と息子が
迎えに来てくれるのを待つ。約束よりちょっとだけ
遅れて車が見えてきた。
物凄く嬉しかった。その分、寂しかった。
札幌に向く途中、俺も息子も銀行に用事があり
手稲の北洋に立ち寄った。すごい平常行為。
昨日まで一緒にいたかのようだ。
その後役所に寄って息子のアパートに立ち寄る。
そして美しが丘のマンションに暮らしている頃から
なじみのラーメン「はな丸」さんで食事だ。
こんな席も、三人がそろって食事なんてもうないかも。
今思うと、俺はその日から鬱だった。
気づけば自宅で一人だった。元妻からメールが来た。
「今日から一人で頑張ってください」とあった。
俺は一人で勝手に、「たとえ離婚したって、これからも
仲良く連絡し合ったりたまには食事に行ったり出来る」と
何となく思っていたんだ。でもそんなわけはない。
アルコール依存症は病気だ。
なろうと思ってなったんじゃない。
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だが事実として、あれほど幸せで
愛情と信頼に満ちていた
我が家庭を壊したのは俺だ。
愛と笑顔と幸せは、
不安と不信と悲しみに変わった。
全部俺が原因だ。
どこに合わせる顔があるのか。
その事実を改めて自分から突き付け得られ、
俺は思ってもいなかった鬱状態に陥った。
そうあってはならない。それどころじゃないんだ。
俺は一心不乱に制作を進め、100%のエネルギーで
ドラムに向かっていた。すさまじい早さで自助グループや
デイケアとの約束を取り付け、スケジュールを埋めた。
その頃の投稿を見ると、10月1日から一週間、
投稿していない。退院後の初投稿は7日だった。
sugiyama-yuuichi.hatenablog.com
その翌日。三回も投稿している。苦しんでいる。
sugiyama-yuuichi.hatenablog.com
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今にして思う。よく乗り越えた。いやまだまだ、ゴールなんてない。
だって完治しないのがアルコール依存症だから。あくまで回復。
自信をもって今、回復していると言える。
寂しさ、悲しさ、恋しさ、孤独感はすごい。
だから俺は今日も明日も立ち向かう。
どんなことだって自分が良くなるための
方向にしてみせる。
※次回から時系列を一旦終えまして、
今思う依存症について投稿します。
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