ネクスト杉山

余りに大きな犠牲を払ったが、ようやくアルコール依存症を乗り越えたドラマーの、明日への布石

346 隔離部屋での出来事

前回の通り、俺は飲酒がばれて
隔離部屋へと収容された。

隔離部屋はほとんど拘置所だ。
部屋の中には書くもの読むもの何一つない。
手が届かないところに窓があり、天井も高い。
自殺防止のためだろう。監視カメラが光り
照明は24時間消えない。

さらにトイレが部屋の中に、ドアなしで設置だ。
これはなかなか哀れな空間だ。どこにいたって
トイレが見える。そして芯を抜かれたトイレットペーパーが
いくつか床に転がっている。


水も飲めない。欲しい時はブザーを鳴らし、
看護師を読んでコップ一杯の水を持ってきてもらうんだ。
これが丸っきり人肌であり、極めて不快な水なんだ。

f:id:sugiyama-yuuichi:20210615213645j:plain
食事は三食出る。その時だけドアのかぎが開けられ
隔離部屋の前の空間で食事をとる。4部屋のみだ。
四六時中何やら怒鳴り散らす男性と、酔って暴れて
包丁を振り回した高齢女性がそれぞれ並びと向かい側だ。
食べ終わると同時に部屋に幽閉される。

俺は部屋の中でぐるぐると歩きまわりながら、やむなく
自分に向き合った。ちょうど酒も切れたころだったんだろう。

どれだけ家族を愛していたか。そしてどれだけ悲しませ、
傷つけて来たか。失ってしまって初めて向き合った。
俺は。世界一大切に思っていた人と、お別れしたんだ。
涙が溢れて溢れて止まらない。これは尾を引いた。
その後数か月間、思い出しては泣きに泣いた。

その時初めて自覚した。多分それまでは酔って考えないように、
意識しないようにしていたのかもしれない。

f:id:sugiyama-yuuichi:20210615213729j:plain
俺はなぜここまでのアルコール依存になっちまったのか。
なぜ?どうしてなんだ?

ここで結びつくのが本で読んだアダルトチルドレンである自分と
ドラムを叩けなくなった喪失感で、俺自身がなくなってしまい
酔うしか生きる方法がなかった。酔ってないと見えてしまう
自分や状況はとても耐えられなかったんだ。

俺が飲まないようになるためには。
飲酒を我慢したり耐えたりしたって全然だめだ。我慢はもたない。
根元を変えないとダメなんだ。根元とは。

俺が「主語を自分にする」こと。そして、
「ドラマーとして完全に復活すること」


雷に打たれたように俺は自分に酒を禁じた。ついでにタバコも。
飲酒を誘発するものはすべて避けることにした。炭酸である。
ゼロコーラも好きだったんだが、禁じることにした。

本気で自分に誓うと、案外欲求はない。不思議とたばこも。
別に炭酸物も飲みたいとは思わない。これは今でも継続している。


あの幽閉された三日間があればこそ、今の俺があると思う。
地獄のような三日間だったが、俺を助けてくれた三日間だった。


https://www.instagram.com/sugi1023jp/

https://twitter.com/drum92594656

http://blog.livedoor.jp/sugi_g

https://www.facebook.com/sapporo.create

https://www.youtube.com/channel/UCNuOu4uwaQQhvrXJkk_Opng