ネクスト杉山

余りに大きな犠牲を払ったが、ようやくアルコール依存症を乗り越えたドラマーの、明日への布石

373 思い出した自意識

俺は高校を卒業してすぐ、コンテナトラックに乗った。
「上乗り」と呼ばれる、世間的には「助手」の仕事だ・
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ちゃんと正社員として働いたのだが、
運転手の厳しさ怖さ、仕事のキツさに負けて
1年と持たずに辞めることとなる。

しかし他に仕事があるわけでもなく、俺は懲りずに
日払いのトラック上乗りのバイトを始めた。
毎日乗るトラックは異なる。ある日のバイトで
一緒になったドライバーから、俺は上乗りをまとめている
会社を紹介される。月給制であり、日払いの労働者より
はるかに安定している。俺はその話に乗った。

日通の専用下請け会社だったのだろう。
従業員は、ほとんど社会的にはもう落伍したような
同世代の男ばかりだった。

会社の宴会などで俺は感じていた。

俺はお前らとは違う。


どうにもいけ好かない感覚だろうが、俺は本気でそう思っていた。
今はいいさ。でもな、俺は次元の違う世界へ到達するぞ。

本気で思っていた。そして、その意思はある意味叶うんだ。
当時描いてた夢やあこがれは、ほぼ叶えてきた。

何を言いたいか。


あんな厳しい底辺からのスタートだった俺が、その後数年で
色々な結果を出すことが出来た。

確かに今の俺は寂しくて孤独だ。
でもあの「ありえない労働環境、
命さえ危ない現場」を
通ってきたんだ。
今をスタートとして考えるならば、
高級なマンションでの
独り暮らしからのスタートだ。

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スタートダッシュは成功しているんだ。
最高のドラムを叩いて見せよう。


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