ネクスト杉山

余りに大きな犠牲を払ったが、ようやくアルコール依存症を乗り越えたドラマーの、明日への布石

421 飲んで逃げていたこと

逆のいい方も出来る。逃げるために飲んでいた
その中身を思い出してみたい。

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◆ ドラマーじゃなくなった自分

何と言ってもまずこれが第一であり、最悪の事実だった。
俺にとってたった一つの拠り所、ドラマーとしての自分が
末梢神経障害によって、本来なら最高に幸せな局面で
(何度目かのメジャーデビューしたバンド、REDの新発ツアー中だった)
引退しなければならなかった。
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そんな惨めで哀れで。存在価値がない自分を見たくなかった。



◆ 飲食店をやっている俺

ドラマーじゃなくなった俺は、誰にも弱音を吐かなかった。
「なーに大丈夫、次に行くんだ」かなんかで平気なふりをし、
音楽から最も離れた場所に身を置こうと思った。

結果的に2年もたなかった。

後半は朝の仕込み段階から飲み、店内はバンドやミュージシャンの
写真だらけになっていた。客席用のテレビはいつの間にか
好きなバンドのDVDをかけるだけになっていた。



◆ 事業の成果が出なくなって行く俺

あてはないのに、毎日のように舞い込む請求書。催促電話。
あれって本当に苦しいものだ。目覚めている時間は常時金のことで
精神は一杯になってしまう。

仕事もやった。色んな事をやった。だが時間は過ぎる。
その月は良くても翌月はどうする?そんなことを考えたくない。
朝から飲んで酔って、現実から目をそらすしかなかった。



◆ 錯乱し始める俺

何度救急車で運ばれ、パトカーで搬送されたことだろう。
自分のコントロールが出来ず、錯乱し暴れた。
息子と元妻の悲しみ、苦しみはどれほどのものだったか。
その事実も見たくなかった。酔えば訳が分からなくなって
認識しないで済む。



いずれも「責任を取らず、解決を怠り、自分の事しか考えず
傲慢で独りよがりで嘘つきで自堕落」
な生き方が病気を呼び込んだ。

アルコール依存症だ。




鬱とセットだ。そりゃそうだ。飲めなくなって刻一刻と離脱に苦しむんだ。
これまでの自分へのしっぺ返しだ。当然の罰なんだ。
見たくなかった、考えたくなかった、知りたくなかった現実が
一気に襲い掛かる。これまで逃げに逃げて来た事象が一気に襲う。
そりゃ鬱にもなるだろう。それでいい。底を見なければならない。


だがその時は手指が震え、けいれんし、字が書けない。
数分前のことが思い出せない。逆に何か月も前のことがたった今の
出来事のように感じる。


そんな入院中だった。

後一か月半で退院から一年を迎える。



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