435 思いが実際の行動を左右する
一番まずいのは、無策だ。
何も考えないことだ。
何も考えなければ、何も進捗しない。
そして、飲んで酔っているとき、
人間は何も考えられない。
だから何も好転しないんだ。
好転しない、イコール悪化じゃないか?
信頼も愛情も、経済も健康も、そして
幸せも笑顔も生き甲斐も刻一刻と
失われて行く。少しずつ 少しずつだから
自分でも分からない。俺もそうだった。
入院中に毎日他の患者を見る。
その目線は完全に第三者だ。
当初は他人事だ。単にこいつはだめだと
感じるだけだったが、例の隔離部屋の
収容から、彼ら患者が自らに重なった。
俺、あいつらと同じだ。
あそこまでの目に合わないとわからない。
依存性が依存症たる所以だろうか。
余りに哀れで惨めな隔離部屋で丸一晩
泣き明かし、翌日からの二泊で決めた。
俺は生きることをやり直すと。
自分を主語に。自分を主語に。
あらゆる事象が一直線につながり、
脳内でスパークした。酒を止めるとか
そんな問題じゃない。酒害に陥った理由を
クリアにするんだ。
かなりひどい育ち方をした俺は、
著しく自己評価が低く、劣等感まみれだ。
そんな俺が唯一生き甲斐を伴う喜びを
感じることが出来たのが音楽=ドラムだ。
そのドラムが末梢神経障害で両手足の
感覚がなく、引退せざるを得なくなった。
2014年。思えばあの時から俺は一気に
アルコール依存症に堕ちて行った。
ならば、俺の存在時間を戻してやれ。
隔離部屋で俺は、二晩でそう決めた。
「酒をやめよう」等と思ったことはない。
ただ、生き方を自分で決めようとした、
その一点だったんだ。
不思議なもので、何の苦もなくタバコも
止めた。まだ入っていた煙草の箱を
患者仲間にあげて、全く平気だった。
酒をやめるやめないじゃないと思う。
生き方を取り戻すのが先だ、
少なくとも俺はそうだった。だから、
再飲酒の危険など、全く感じていない。
酒の事など脳裏にもない。
俺は生き方を変えた。自己復活したんだ。
まだ一年に満たないが、生き方を変えた
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