450 欝との対峙 - ネクスト杉山

退院直後からひどい場合鬱に悩まされた。
今はもう思い出せない孤独感に
スッポリ庇われた。思い出すのは
つい半年前まで一緒だった家族の記憶だ。

俺の部屋にあるものは全て家族で一緒に
使っていた物ばかりだ。全てに思い出がある。
まだ開梱していないダンボールの山をよそに
俺はただ涙を流す毎日だった。
　　

テレビを常時点けっぱなしにしていたっけ。
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でも、出来る限りの行動はしてみた。

バンド、CEDROCKリハーサルを退院早々
入れて、毎週のように新しいシンバルを
導入しては試行錯誤する。こんなことが
俺を持ち上げてくれる。

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入院中にすでに連絡を取っといた断酒会の
ミーティングに参加し始めたのもこの頃だ。
同時にAAのミーティングにも参加し始めた。
更に月に4回のデイケアに申し込んだ。

突如おかしくなったかのような活動だ。
それほど部屋でひとりの時間が流れるのか　　　
いやだった。何かで一生懸命やってないと
俺の内側から立ち上がって来る悲しみに
完全にやられてしまう。

あれから10ヶ月、まだ時折鬱に襲われる。
寂しさ、孤独感に打ちのめされる。

でも一歩一歩、強くなっている。