ネクスト杉山

余りに大きな犠牲を払ったが、ようやくアルコール依存症を乗り越えたドラマーの、明日への布石

この一年

俺は酒に溺れ、何度もパトカーや救急車の世話になった。飲酒運転自損事故で逮捕。やがて4月、旭山病院に入院、飲酒二回でわずか2週間で強制退院となる。かかりつけの幹メンタルクリニックからの半ば強制で小樽の石橋病院に5月25日入院、10月1日退院。

その間、息子が独立、離婚、独り暮らしの準備を進めた。

これが昨年の流れである。

だが、ドラムを引退した七年前から、俺は終わっていた。仕事も巧く行かず、当然収入も不安定だ。酒で誤魔化して来たんだ。その間の妻の悲しみ、息子の心痛はいかほどだったことか。

日本人のアルコール依存性患者は200万人とも言われ、その中で専門病院に関わっているのは4%程度らしい。退院して自助グループに通っているのはさらに少ないだろう。俺は自分を誇って良い。

俺は完全にドラマーに復帰した。