365 アルコール依存症患者の論理
何度もしつこいようだが、日本国内のアルコール依存症患者、
プラスその予備軍を含めると200万以上人との報告があり、
その中で通院、入院等を実行しているのは約4%と言われる。
つまり、ほとんどのアルコール依存症患者は野放しだ。
本人も周囲もアルコール依存症とは気づいていない、
または気づかないふりをする、または必死に否定する。
最初に病院に連れてこられた患者を例にとってみる。
その論理は以下のような事柄であろう。
1:「俺は依存症じゃない」
2:「酒なんていつでも止められる」
3:「人をアル中扱いするんじゃねぇ」
4:「アル中の医者なんて医者じゃねぇ」
5:「これくらい誰だって飲む」
6:「帰るぞ、今すぐ帰るぞ」
・・・おわかりだろうか、これ全て「否定」なのだ。
アルコール依存症が「否定の病」と言われる所以だ。
俺の場合は小樽いしばし病院に入院する前、旭山病院を強制退院になっている。
幹メンタルクリニックの所見も十分聞いていたので、さすがに依存症を
否定するようなことはなかった。しかし違う形で否定をしていたんだ。
即座に退院すべく四苦八苦していた。
院長と患者は週に一度のペースで手紙のようなやり取りをする。
その手紙に、俺は書いた。以下のような内容である。
「もう治りましたので入院は不要です」
「この入院環境下に居た方が悪影響です」
「入院時、自分の自由意思で入院するとサインしました。
なので自分の自由意思で退院します。」
「退院させないとしたら利益追求の貴院の姿勢と断じます」
一つずつつぶしていこう。一つ目から。まず、治っていない。
アルコール依存症とは完治しない病気なのだ。悪影響と言うことだが
一人で暮らしていくことを今スタートするイコール飲まない訳がない。
従って今の入院環境がいいのだ。飲ませないようにしているので
ホテルのごとき快適性を求める方がどうかしている。
自由意志の問題だが退院できるかどうかを判断するのは医師であり
患者ではない。それをあたかも自分に決定権があるかのように
勘違いしている。利益追求にいたっては根拠がない。そう言い張るなら
患者一人当たりにかかってくる病院側の経費と、入院治療の費用が
どの程度国負担でなされているのか、数字を挙げてみるがいい。
お分かりと思う。
これらも立派な否定なのだ。
俺は病院や医師はもとより、
自分自身をも否定している。
回診時、医師に食ってかったとき、「じゃぁ保護入院にしようか」と
言われた。保護入院=病院に強制力がある。俺は殴りたかった。
しかし今でも覚えている。「今の杉山さんは躁状態だから」と。
躁の人間は分不相応な行動をとることが多い。
学生なのに大借金を作って会社を作ってみたり
主婦が前触れもなくニューヨークに飛んだりする。
俺の退院欲求がまさにそれなんだと今は思う。
その証拠に、その頃は退院して飲むことしか考えていなかった。
そして保護入院の話が出た日辺りから隠れ飲みが激しくなる。
つまり全身全霊で否定していたんだ。
言えば言うほど、俺は典型的な
アルコール依存症患者の見本だ。
今ならばそれがどれだけバカなことだったか良くわかる。
反対に、俺が今回復していることも客観的によくわかる。
やっぱり正真正銘俺は病気であったことと、
今は回復していること。この二点だけは確かだ。
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