ネクスト杉山

余りに大きな犠牲を払ったが、ようやくアルコール依存症を乗り越えたドラマーの、明日への布石

鬱の原因:その2

俺は毎日泣くだけ泣いた。
出すつもりがない手紙を書いたりもした。
楽しかったこと、嬉しかったこと、
家族皆の笑顔が浮かんでは消える。

家族で行った旅行。東京で俺一人戦っていた時に
札幌から出てきてくれた家族。
三人で二日間回ったTDLとTDSは記憶の宝だ。
三人で回った道東や函館、色々な温泉、
道内各地のスキー。そして何よりも
普通の毎日の幸せ。ご飯も必ず美味しかった。
毎年楽しみだった運動会。息子はリレーの選手だ。


無数の思い出が俺を叩きのめした。

涙というものは枯れるってことがないんだ。
無限にあふれてくる。鬱の症状とも言えるだろうが
俺には泣くより他手段がなかった。
6~7月はずっとそんな状態だった。

入院していると季節感が感じられない。もう夏だ。
俺は風呂にも入らず洗顔も歯磨きも出来ず
ただただベッドで泣いたりしていた。鬱だ。


そもそも、なぜこうなってしまったんだ。
思い出した。ドラムを叩けなくなってから一層
ひどくなったんだった。音楽に触れることさえ
出来なくなっていた。ドラムを叩けない俺には
何の価値もないと決めつけ、酔うしかなくなっていた。

まだ手足のしびれは消えていない
だが糖尿病からくる末梢神経障害とはやや違う。
うまく表現できないが、とにかくいくらかは
動くような気がし始めた。もちろん当時のようには
叩けるわけがない。違和感は指先だけじゃなく
肩口まで伸びていたのだ。

だがどうだろう、HRドラムにこだわらず、
今までのことは忘れて一から再スタートできないだろうか。
そしてひらめいたのが「カクテルドラム」である。

f:id:sugiyama-yuuichi:20210211005430j:plain