ネクスト杉山

余りに大きな犠牲を払ったが、ようやくアルコール依存症を乗り越えたドラマーの、明日への布石

何から逃げるのか

俺の場合は何度も書いているようにはっきりしている。
糖尿病に起因する末梢神経障害で、両手両足が
ドラマーとして全く思うようには動かない状態となり、
せっかくメジャー(徳間ジャパン)から1stアルバムの
発売に至ったREDのツアー終了後にドラマーを引退した。

f:id:sugiyama-yuuichi:20210322234812j:plain
tower.jp


その頃に前後して仕事への意欲も薄れ、
何をもする気になれず、気が付いたら連続飲酒の
典型的なアルコール依存症になっていた。

ドラムを叩けない俺には存在価値がない。生きる意味がない。
そんな自分を見たくなかった。認めたくなかった。
酔っていればその現実から目をそらすことが出来る。
おれはそこに頼っていた。唯一の逃げ場だった。


つまり、その原因を好転化して初めて断酒が可能になる。
だから俺は退院するや否や、主治医の命にも従わずに
即座にバンドを始めたんだ、CEDROCKである。



www.youtube.com



今だからそれが良くわかるんだが、酒害中は
全然わかっていなかった。と言うか判るも判らないも
何もない。とにかく飲めないのは一大事であり
手元に酒がないと不安でたまらず、時間や状況を
考えずに買いに走った


良くいるサラリーマンが連日の飲み会で癖になり、
やがて休日には自宅で朝から飲むようになり、
気が付いたら異常な連続飲酒になっている。よくある。
当然これはアルコール依存症だ。だが本人はもちろん
家族もそれが病気であることを認めたがらない。否認だ。


そしてこの彼も逃げている。仕事から、理想の人生から、
家族から、欲から、本音から、逃げているんだ。
だから飲むんだ。そんな依存症患者に断酒を進めようと
酒を取り上げようと、絶対に酒を止めることは出来ない。

f:id:sugiyama-yuuichi:20210409203642j:plain

何から逃げているのか。

その根本に正面から向き合う。受け入れる。
つまり生き方を変えるんだ。
今までのように酒でごまかして
見ないようにして来た自分に向き合うんだ。

生き方を変えるんだ。

俺はたまたまそれが間に合ったようだ。
だが結局間に合わず、死んでゆく患者もかなり多い。