固まりつつある日常
令和3年の2月。ここにきて俺の精神は一時期から見てかなり落ち着いている。ネットから伝わる元妻の動向は見ているが、その都度一喜一憂することがなくなったのだ。
別離から時間が経過したこともあるだろう。だが一番大きいのはドラマーとしての復帰だと思う。
狂った飲酒で化け物だったのは、ドラマーじゃない自分を見たくなかったからだ。逃げるしかなかった。ドラムを叩けない俺に価値はない、そんな自分を見たくなかったんだ。でも今は違う。
俺はドラマーだ。
精神を覆っていた焦り、劣等感、そんなものが洗い流されて行くかのようだ。また同じバンドのメンバーとして参加している息子の存在がとにかく大きい。壊れてしまった家族だが、父と息子は変わらず同じ価値観で定期的にリハーサルしている。何にも代えがたい幸せだ。
まだ何となくだが、思う。俺、大丈夫なのではないか?