ネクスト杉山

余りに大きな犠牲を払ったが、ようやくアルコール依存症を乗り越えたドラマーの、明日への布石

331 外泊訓練について

本来は8回の外泊訓練を経て退院に至るのだ。

コロナ禍で外泊訓練が中止になり、様子見だったのだ。
小樽市内及び札幌の状況がやや好転したことから
ようやく実現した、わずか3回だったが、今思うと
3回でよかったのかな。今はそう思う。


 1、支度をして午前9時、病棟を出る。


 2、路線バス(病院前に停車)で小樽駅まで乗車


 3、都市間高速バスで小樽駅~札幌駅へ


 4、地下鉄さっぽろ駅から南平岸


 5、自宅到着

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一時間半の小旅行である。路線バスが240円、小樽札幌間が680円、
地下鉄が250円である。正直この交通費は痛かった。片道1170円だ。

しかし札幌地下街を歩いていると、密入国でもしているような
不思議な感覚になった。誰も俺の事など知らないのだが、
そんな俺はアルコール依存症で精神病院に長期入院しているんだ。


9月の第2週3週4週だったと記憶する。
入院したのは5月25日だ。その時はまだ退院が
何時なのかわからないので(予定は3か月だったが)
入院前はとにかく食材を残さないように、
冷蔵庫をからにするように行動していた。

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そしてマンションのブレーカーを落とす。
そうじゃないと無駄な冷蔵庫とボイラーが
勝手に回ってしまう。オール電化の宿命だ。


ということは?

4ケ月ぶりの自宅には自炊できるものが
何一つないということになる、
こればかりは仕方がない。
俺は4件のスーパーのお弁当お総菜、
ホカ弁など二泊の間に色々回った。

その結果わかったこと。

 ◆俺が作ったメニューが一番美味い。


 ◆弁当を2回買う費用で一週間分の食材になる。


 ◆退院後に予想される鬱を避けられる。


その頃、俺の部屋にはTVがなかった。
せっかく得られた自宅での時間、今更だが一人だ。
孤独をごまかしてくれるTVがないのは辛かった。


寂しさ、孤独感が実は入院時よりもつらかった。
入院中に誰にも会えないのは当然だ。
だが今俺は一市民として南平岸のマンションにいる。
でも家族はいない。これは計算外の辛さだった。


俺はブレーカーを入れ、ネット回線をフルに接続させて
思う存分に制作をした。HDDを利用していてよかった。


一晩中youtubeを見ていた。

こんな外泊訓練が3回行われた。退院後の電気設定が
さっぱりわからず、管理会社やほくでんに何度も電話した。
ちゃんと設定しないと、ドリーム8に設定が壊れ、
電気代がとんでもないことになるからだ。


テレビはいったん息子に預けた43型を戻すことにした。
々と退院に向けての環境整備がひとつずつ進む。