ネクスト杉山

余りに大きな犠牲を払ったが、ようやくアルコール依存症を乗り越えたドラマーの、明日への布石

299 男の感覚

・・・の一つじゃないかな。モノに思いをかぶせるってやつ。

例えば、昨日靴関係を整理したら
入院時に買ったサンダルが出てきた。
特に痛んでもいないのできれいにして
マンション建物内(郵便箱、宅配bOX、ゴミステーション)の
専用にしようかなと思って。でもね、
ついつい手にしては入院当時を思うんだ。

入院用に予め持って行ったサンダルがすぐにダメになっちゃって、
病院から徒歩12分の100均に行って買ってきたんだった。
確か暑い日だった。その時はまだ隠れ飲みしていたな。

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4か月間、地獄の入院を共にしてくれた300円のサンダルだ。
小樽いしばし病院の301病棟、307号に続いて新生会の部屋で
俺と共にいてくれたサンダルだ。壊れるまで使おう。


俺の部屋は家族との思い出ばかりだ。何から何まですべてが
家族との思い出に直結している。今PCを操作し、大音量で
youtubeを聴いているこのテーブルとソファーは、清田の
一軒家に暮らした時、思い切って買ったんだった。
家族皆でニトリを始め色々回って決めたんだった。

書棚は結婚したときに購入したものだ。30年近く経過しても
全然へたらない。ベッドは酒害真っ最中の頃、元妻の提案で
購入したんだった。テレビもデスクも食器棚も冷蔵庫も。

そんな一人の空間が、退院直後は本当に辛く悲しかった。

でも退院して7か月か。大分「今の自分」感覚になってきた。
モノで思いが立ち上がり、悲しみにくれるってことはもうない。

見てるのは1秒後以降の俺だから。