343 寂しさと悲しさ、その裏側
俺はどう考えても前向きに毎日生きている。
一か月をかけて不要物を処理した。
売ったものもたくさんある。
楽器、周辺機器、コードやスタンド類、
あらゆるパーツ、何度もBOOKOFFを
往復した。フル鍵盤のシンセは重かった。
引っ越してから開けてなかった段ボール。
中にはクリアファイル、スプリングファイル、
2ホールファイル、とにかく書類とファイル。
半年使ってないものは使わないはずと思い、
雑紙と燃えないゴミで仕分けし廃棄した。
もう着ない服も捨てた。余分な寝具も
大昔の皮のハーフコートなど、
色々なものを捨てるだけ捨てた。
TV台は結婚した頃に買ったものだ。
もう25年前、当然ブラウン管仕様なので極端に
奥行がある。液晶TVでは不要な容積を使う。
そこでスペース確保と美観のためにスタンドを
購入して交換した。この違いは大きい。
独り暮らしであることをよく考え、余分な食器や
鍋類も燃えないゴミとして処分した。
さらにタイミングが良いことに、息子から預かって
いたPCや楽器の関連物品、PCのケースが2台、
段ボール2箱を引き上げに来てくれた。
これで完全に火が付いた。結婚した時に購入した
大きな書棚も処分することにした。意味もなく
持ち続けていた昔のバンド関連のトロフィーや盾、
各種飾り物や大きな書類ケース、招き猫、人形、
飾ろうと思って飾れなかった元妻との思い出の
品々や写真、フォトフレーム。すべて処分した。
かくして先ほどのTV台、机用袖引き出し、長机
書棚を札幌市の大型ごみに依頼して廃棄、
今回物は40リットルの指定ごみ袋で20個超えた。
契約していたトランクルームも解約した。
部屋が広くなり、入り口からバルコニーまで
見通せるように、気の通りが良くなった。風も抜ける。
でも
家族と一緒だった色んなものがなくなった。
俺は進化する。と同時に、思い出からは離れて行く。
それが悲しく、寂しい。恋しい。