ネクスト杉山

余りに大きな犠牲を払ったが、ようやくアルコール依存症を乗り越えたドラマーの、明日への布石

気が付いたこれまでのこと

アルコール依存症患者の典型だ。
俺は自分の酒害を認めようとしなかった。
隔離部屋にいた三日間で俺は病気を認めざるを得なかった。

そして家族。いて当たり前の元妻は、いてくれるのが奇跡だった。
本件に関いてはいくら書いても書ききれない。今書いていても辛い。
ただただ激烈な孤独感に襲われた。自業自得である。

出来ることなら飲みだす前に戻りたかった。本当に幸せだった。

俺の勝手な思い、心が及ぼした酒への逃避が世界一の不幸だった
家族を壊してしまったんだ。しかも大モメ、けんか別れではない。
元妻の人間性だ。最後まで俺を慮ってくれた上での離婚だった。

息子は大人の男だ。一人暮らしで独立してむいろ良いことだ。
音楽という縁があれば、これからも行き来できるんじゃないか。

覚悟を決めなくてはならない。
今でこそ、そこそこ連絡したりしているが、時間の問題で
そうはいかなくなるだろう。男の俺は思いきり尾を引くが
女性はそうじゃない。終わった相手とは終わったんだ。

正に身を切られるような思いだった。辛い。寂しい。
今でもその感覚は変わらない。慣れるということがないんだ。

孤独な隔離室で、俺はそんなことを思い、ひたすら泣いていた。