ネクスト杉山

余りに大きな犠牲を払ったが、ようやくアルコール依存症を乗り越えたドラマーの、明日への布石

328 入院患者の事態 その2

今日は少々変わったパターンを投稿する。
余りにも極端な再入院」をする患者だ。


その前に「合同例会」についてご案内する。
週に一回、デイルームと言う広い部屋で
全入院患者(全と言っても1Fのアルツハイマー型や
2Fの統合失調症双極性障害等々の患者を除く)が
一堂に会し、院長先生のお話を聞くのだ。

100名前後集まる。それなりに準備が必要であり
「新生会」の患者がそれにあたる(後日投稿)

まずはコロナについて講話がある場合が大半だった。
(2020年、年末には200名を超えるクラスターが発生)
次にアルコール他違法薬物や処方薬物、市販薬物、
盗癖、ギャンブル等々あらゆる依存症患者のための
講演と言った雰囲気である。

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大体毎回、〇日に退院する患者が発表される。
3-1閉鎖病棟(男性:依存症患者の半閉鎖病棟)の
全員による寄せ書きが手渡され、おめでとうの言葉が
先生から伝えられ、皆から大きな拍手だ。
その患者は皆の前で数分間、これからの目標や希望、
断酒の(アルコール依存の場合)決意を宣言する。
結構ちゃんとしたセレモニーである。晴れやかな
笑顔で数日後に退院して行くのだ。

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そして、1日から2~3日で戻って来るのだ。
再入院である。決して例外的な現象ではない。
ある意味普遍的な風景とも言えるのだ。

同部屋だった男。退院を指折り数えていた。
「あと9日かぁ、長いなぁ」と言った独り言を
よく覚えている。ベッドが隣だったっこともあり
良く会話したものだ。機械関係の仕事をしていたらしく
俺の経験値と合致するところもあり、会話が弾んだ。


気になったのは「自分の話しかしない」
「人の話を聞いていない」「相手が何を聞きたいか
ではなく、自分が何を話したいか」と言う姿勢だ。


上に書いたような退院セレモニーを済ませ、彼は退院した。
そしてその二日後に戻ってきた。

独り暮らしのアパートでは何の指示もない。
24時間、何をするにせよ自分の判断で暮らす。
食事を自分で作ることが出来ない。食事は何年もの間、
供され、片付けられる。メニューを考える必要もない。
それを退院した途端にすべて自分がやらねばならない。

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それが出来ないから、つい総菜や弁当を買う。
食品が売っているスーパーには酒もある。


飲んでしまうらしい。

ものの1日2日で「食事に困り飲むばかり」となってしまい
自分の意志で病院に助けを求めるのだ。
これが俺には理解できなかった。自分自身が退院を欲し、
一秒でも早くこの地獄の病棟から出たかった。
何を好き好んで戻って来るのか。その気持ちがわからない。


彼はまた3-1一般閉鎖病棟に入れられた。
俺がいる病室にもよく顔を見せ、物欲しげな雰囲気で
手持無沙汰な様子だった。何を言いたいのか不明だ。


色々な患者と話をした結果、どうやらこれも病気の
一環と言うことがおぼろげに見えてきた。
物事を考えることが出来ない、やるべきことがわからない
進むべき道を見ない、その意思もない、概念がない。

俺には最後まで理解できなかった現象だった。



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