ネクスト杉山

余りに大きな犠牲を払ったが、ようやくアルコール依存症を乗り越えたドラマーの、明日への布石

448 酒をやめる気なんてなかった:その3

入院中、医師と手紙のやり取りをする。
手紙と言ってもレポート用紙で、
指示された内容を子細に書き、医師からは一行返信がある。
その繰り返しだった。
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俺はもう完治しており、入院の必要性がないこと、
そもそもこの病院に居ること自体ストレスであること。


回診の際にその旨口でも伝えた。
すると「今は躁状態だから出せない」と言われた。
「どこが躁なんですか!俺は自由意思で入院したんだ!
だから自由意思で退院させてもらう!」
と大声で主張した。

「保護入院にしたっていいんだけど?」
保護入院=強制力のある入院だ。

俺の激怒は急速にしぼんで無力感に変わった。

それならわかった、もういい。ずっと隠れて飲んでやる。
そう思った。俺が大声で退院を叫んだのも、飲みに行きたかったからだ。

俺は翌日から昼食後、午後4時までの間、病院目の目のスーパーで、
わざわざバスに乗って小樽駅前の長崎屋で、小樽築港前のイオンで
酒を買い、様々な風景を眺めながら飲み続けた。
時には駅との逆方向、オタモイ海岸に行って波打ち際で飲んだ。

これが築港のフェリーターミナルで飲んでいる模様だ。
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この日、この光景を最後に俺は生涯断酒することになる。




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