449 酒をやめる気なんてなかった:最終回
最後の飲酒日は、オタモイ海岸だ。
コンビニで4本購入し、終着「オタモイ海岸」で降りた。
ぼんやりと波を見つつ飲む。きっちり4本飲み切った。
俺は病院に戻るべく、幹線道路目指して歩いた。
途中に古い個人商店があったので、ビールを1缶買った。
時間ギリギリに病院に戻った。完全に泥酔だが
すでに当時、昨年2020年6月はコロナ禍だったので
マスクは必須だ。匂いでばれることはないだろうとタカをくくっていた。
ただし今日はケアマネージャーとの1:1の面談だ。
狭い面談室で。当然のこととして匂いで飲酒がバレ、
すさまじい早さで大勢の看護師らが押し寄せ、俺は両手を拘束され
隔離病室に収容された。結果的に3泊することとなる。
飲酒運転で逮捕され、一晩収容された豊平警察署の留置場によく似ていた。
見るもの、書くもの、聞く音、話す相手、外の風景、何一つない。
俺は留置場同様の部屋の中をぐるぐると回り、考え込んだ。
なぜこんなことになったのか。
二日目だったと思う。俺は突如泣き始める。すぐに号泣だ。
監視カメラから24時間監視されているので「どうしました?」と
呼びかけられる。返事も出来なかった。
とにかくその瞬間、俺は酒を生涯止めることを決めた。
2020年6月19日、自らに禁酒を誓ってから今日まで、
一口も飲んでいない。間違いなくこれからも。
https://www.instagram.com/sugi1023jp/
https://twitter.com/drum92594656
http://blog.livedoor.jp/sugi_g