521 よくわからない治療
とにかくアルコール依存症は「精神病」なのだ。
ケガや病気と違って、患者の数だけ症状がある。
世界のどこを探したって精神病に至った原因、経緯、
現在が同じと言う患者は一人としていない。
病院は治療せねばならない訳だが、上記のように
絶対にステレオタイプではないので、理想は完全な
マンツーマンだろう。俺が入院した小樽いしばし病院も
出来るだけ医師や看護師が一人一人に向き合って
個別地王するべく腐心していた。きっとほかの病院も
そうなんじゃないかと思う。思いたい。
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仕方がないこととして。千差万別であってもその真ん中を
貫く治療方法を連日模索しながらも現在のカリキュラムが
決められ、患者はたかも囚人のごとく唯々諾々と従う。
最も俺が理解できないのが、決められた時間に決められた場所で
自由なことをやるというメニューだ。
パソコン
囲碁将棋
クロスワードパズル
ジグソーパズル
編み物
読書
プラモデル
各々好きなことをやって過ごすのだ。
入院中は確か2時間のプログラムじゃなかったか。
各病院やクリニックで執り行われるデイケアも
基本的には似ている。
あれだけが分らないんだ。何の治療になるというのか。
毎週のように通っているデイケア。午前中は上記の
ような「各自の作業」と称し、好きなことをやる。
俺はスマホでSNS方面を整える。
他の患者は編み物もいればクロスワードパズルもいる。
持参した本を読んでいる者もいる。これが治療？
まぁ午前の後半は看護師を交えたトークセッション、
昼食をはさんで午後から看護師による依存症の学習だ。
これならわかる。毎回勉強になっている。
しかし、しつこいようだがパズルやってて治療になる、
それがどうしても俺にはわからない。
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