ネクスト杉山

余りに大きな犠牲を払ったが、ようやくアルコール依存症を乗り越えたドラマーの、明日への布石

入院。食事の思い出

メニューは一か月分が病棟廊下に掲示される。

その病棟は完全に閉鎖されている。留置場さながらだ。
お見舞いや来客は絶対にあり得ない。
なので入院患者以外は食事がどうなっているか
誰にもわかるまい。

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俺のような糖尿病患者など、個人の都合で
メニューが変わる場合がある。禁食も色々ある。
俺は青魚が禁食だった。三つ葉も入れるべきだった。

基本的にはおいしい三食だった。

いしばし病院の食事メニューはおいしいとの
業界評判があるらしく、決して粗末ではない。
俺は4か月の間にかなり好き嫌いが減った。
魚方面は大半が苦手だったのだが、さわらの煮つけで
十分ご飯を頂けるようになった。

それでもやはり苦手はある。その際に力を発揮するのが
「梅干し」「ふりかけ」「海苔の佃煮」の入院三点セットだ。
この体験で、どこに売っているふりかけが一番か知ることになる。
そのスキルは今も生きており、ふりかけの在庫に迷いはない。
海苔の佃煮も、マックスバリュの「トップバリュ」が良い。

結構参ったのは麺類である。

ラーメン、うどん、そば。ぬるくて伸びてて味が薄い。
あのまずさは慣れることがなかった。

入院体験で学んだのは、自炊の際の料理不要メニューだ。
海苔の佃煮、焼き海苔、キムチ、納豆などの「火を使わない」
出すだけでいただける、しかもすべてご飯のお供なので
まずいわけがない。退院後まず手掛けたのがその手のメニューだ。

それにしても、ベッドで仰向けになってるだけで時間が来たら
食事が運ばれてくる。食後はお盆のままキッチンカーに戻す。
これに慣れてしまったら、患者によっては市民生活に戻れなく
なってしまうのもわからなくもない。

だって最低限の家具家電(ベッド、布団、テレビ、ガスコンロ、
冷蔵庫、洗濯機)から始まる何もない生活なわけだ。
炊飯器、鍋釜、箸、レードルや包丁など調理道具、醤油ソースなど
調味料、そもそもの食材。食器。これらを即日購入して料理せよと。
それじゃなくてもアルコール依存症患者である。そう簡単ではない。
実際に退院して2~3日で再入院するのはそんな原因もあろう。

おれは抜かりないが。