ネクスト杉山

余りに大きな犠牲を払ったが、ようやくアルコール依存症を乗り越えたドラマーの、明日への布石

依存症からの回復

448 酒をやめる気なんてなかった:その3

入院中、医師と手紙のやり取りをする。 手紙と言ってもレポート用紙で、 指示された内容を子細に書き、医師からは一行返信がある。 その繰り返しだった。 俺はもう完治しており、入院の必要性がないこと、 そもそもこの病院に居ること自体ストレスであること…

447 酒をやめる気なんてなかった:その2

毎日飲んで飲んで時間感覚もなかったが、 進めなきゃならない新規web案件があり、 連日目覚まし時計を使って起床し、辛うじて仕事をしていた。夕方、一息ついて酒を買いに行く。 俺はそんな毎日を過ごし、入院日を待った。 入院当日。俺は明け方まで飲んでい…

445 酒を飲むという地獄

目覚める。枕元には半分程度入った缶チューハイがある。 まだぼやっとしながら飲む。一気に空になるまで。 のろのろと起き、そのままの格好でコンビニへ向かう。 酒を買うんだ。タバコや肴も一緒に。 9%のストロングチューハイを4本。350缶を2本。 350缶は…

442 アルコール依存症を乗り越えた男の一日

・起床:午前9時 ちょっと遅く起きた。前の晩、若干夜ふかししてしまったので。 ますはバルコニーのカーテンを開けて窓を全開にする。 スェットを着て、居間のカーテンも開けて窓を全開にする。 我が家のカーテンは高機能な遮光カーテンだ。 閉じていたら真…

441 自由と不自由

一体である要素もある。一人暮らしだ。男の一人暮らしは、人生最大の贅沢とも言われる。 俺は一人暮らしが始まって10ヶ月。最近やっとベースが掴めてきている。快適にしているし清潔にしている。見た目にもかっこよくしており、いつ誰が来たって何ら問題はな…

438 希望と絶望

これは実に難しいんだが、 今現在で言えば希望に満ちている。 俺にとって一番大切にして生きて来た「音楽」がある。 仲間がいて共に同じ理想に向かって突き進んでいる。 これを希望と言わずして何というのか。 2014年のドラマー引退以後、これが全部なくなっ…

436 断酒には苦労していない

本当だ。2020年6月19日を境に、定規で測ったような切り口で 酒を断った。同時にタバコもやめた。 何の苦もなかった。 俺には少々頑固なところがある。 本当のここ一番で、一度決めたことは絶対にやり抜く。 滅多にないことだが、心の根っこで決めたことは揺…

433 気持ちよく生きたことがなかった

それが飲んでる頃の俺だった。 -----不潔----- 入浴しない、洗顔しない、歯を磨かない、着替えない、 下痢で漏らしてそのまま、枕元に吐いてそのまま。 恐らく俺全体から悪臭が立ち上がっていたことと思う。 酒の空き缶がPC周りに転がっている。 …

431 アルコール依存症と精神障害

当然ケースバイケースであり、連続飲酒の果てに精神を病む場合、 何らかの精神障害がアルコール依存を呼び込む場合、どっちもある。 俺が長期入院していた小樽の病院には、軽度の知的障碍者がいた。 会話していて「?」な、例えばADHDが疑えるような男もいた…

428 過去の間違いが及ぼす未来への影響

過去の間違い。間違いなくアルコール依存症になったことだ。多種多様な間違いがあれど、その原因は全て酒だった。 無数のけが。人への暴言。空気を読めない行動。 だらしない日常、ウソ、だます、なく、わめく。 全てアルコールの作用だ。 これは強がりでは…

425 謝らない。反省しない。振り返らない

本当は謝りたいよ?反省を見せて許しを請いたい。でも、俺には許されないと思う。 謝る、その先には「許してもらう」前提がある、 俺は許されることはない。事実は消えないんだ。 一時期は愛し合い、信頼し合い、人生の伴走者として 何十年も共にしてきたそ…

422 記憶とは楽園にもなり、刃物にもなる

明日は段ボール収集日だ。 朝早く起きる自信がなかったので、11時半、深夜に出してきた。かつて家族で暮らしていた清田の一戸建ては、 裏手に町内会館があり、段ボール他資源ごみをいつでも 廃棄できるような小屋があった。あれは本当に助かっていた。 当時…

421 飲んで逃げていたこと

逆のいい方も出来る。逃げるために飲んでいた、 その中身を思い出してみたい。 ◆ ドラマーじゃなくなった自分何と言ってもまずこれが第一であり、最悪の事実だった。 俺にとってたった一つの拠り所、ドラマーとしての自分が 末梢神経障害によって、本来なら…

419 飲酒、酔う。それは幸せなことなのか

普通に考えたら、気の合う仲間と席を囲み、 好きな酒を飲みながら愉しい際があり、 美味しいアテがある。これは幸せなことだろう。 俺もそんな席が大好きだった。 なのにどうして時間を経るにしたがって 酒が人生を壊して行くのか。たったひとつ。 酒量をコ…

418 なぜ「生き方」の指南が治療になるのか

必ず出されるのが「生き方」の話だ。依存症の医療は精神科であり、内臓疾患やケガと違い 医学的な施術はない。治療は全て精神医学なので 会話やレポートのやり取りなどが大半になる。 実際、回診の際の言葉は各々の患者の考え方や展望、意欲など 生き方に関…

417 隠れ飲み=嘘をつく=本当じゃない=自分を出さない=自分が嫌、その2

以下、前回投稿の続きです。 sugiyama-yuuichi.hatenablog.com なぜ俺はここまでの酔っぱらいにならなけりゃダメなんだ? これが寛解へ向けたドアノックなんだ。 飲んでるやつはそこに至る前に酔ってしまうので ものごとを考えることが出来ない。 酔い続けて…

416 隠れ飲み=嘘をつく=本当じゃない=自分を出さない=自分が嫌

タイトルのままだ。今一度、ちょっと詳しく書いておこう。 隠れて飲む=飲んでいないと嘘をつく=本当の事じゃない =本当の自分を出せない=自分を出すのがが嫌=自分が嫌い 断酒に必要な要素がここにもあると思う。 最初と最後が実は直結している。 「隠れ…

415 隠れてやる。

それは「見られなければ大丈夫」にも通じる。一見キレイに片づけられた部屋だが、クローゼットの中は ゴミだらけで雪崩みたいにモノが落ちてくる。整ったPCデスク周りなのだが、ドキュメントは フォルダもファイルもすべてデスクトップにあり、 目的のファ…

414 酒を飲む=幸せではない

「幸せになりたい」のと、 「不幸になりたくない」これ、大違いだ。前者なら幸せに向かって進んでいくだろう。 まぁ「・・・なりたい」じゃ弱いが。 「幸せになった・なっている」で行こうじゃないか。 後者は、不幸にはならないかも知れないが、 幸せには絶…

413 病気を治す、それは症状の緩和ではない

ケガはまだわかる。切ったら止血、消毒、包帯か。問題は病気だ。 風邪をひいた。そこで病院に行って解熱剤もらったり 風の諸症状を和らげる薬をもらったって何にもならない。なぜ風邪などひいたかの問題だ。 食生活。栄養バランス。体温低下。ウイルス性細菌…

411 アルコール依存症患者の食事に関して

とんでもない猛暑の中、今日はCEDROCKのレコーディングだ。 初回レコ―ディングは、ほとんど2回目のためのリハーサルだ。 今日を踏まえて二週間後辺りを目途に進捗する。 ちなみにレコーディングは正午から午後10時までの10時間だ。熱中症になっちまった俺に…

408 どうやら乗り越えた、

俺は確かに乗り越えた。2020年6月19日から一滴も飲んでいない。 ついでにタバコも同時にやめた。 飲み物を買わなくなった。朝食用の牛乳と麦茶の大袋だけだ。 毎週月曜の断酒会は喫茶店なので 俺はアイスコーヒーをたのむ。 退院以後、購入したのはこれだけ…

406 面倒くさいというアルコール依存症者の姿勢

何が面倒くさいのか?実は「飲むこと以外全部」だ。 部屋の掃除。これが面倒くさいので居間、トイレ、ふろ、キッチン、 全てすごい早さで汚れていく。 コンビニ袋(最近は袋ないけど)に弁当がらを入れて 口を縛った状態でいくつも転がっている。コバエもわ…

405 飲むのをやめた瞬間

それは外出してスーパーなどで酒を買って好きに飲んでいたことが ケースワーカーにバレ、3部屋ある「隔離部屋」に収容されたことに寄る。 隔離部屋は外部からカギがかけられ、ドアには縦4センチ横12センチの程度の 除き窓がある。外部との場度は床から3mあ…

404 酒と共にやめたもの

酒を断ったのは昨年6月19日のことだ。 自助グループ的には、退院してからの断酒期間を カウントとするらしいが、知ったことではない。 俺が酒をやめた日が断酒スタートだ。◆同時にやめたのがタバコだ。 自分でも不思議なんだが、酒をやめると決めた正にその…

402 アルコール依存症者を見分ける

朝や昼から公園とかコンビニの灰皿前で飲んでいるような 連中はもう、実に分かりやすくアルコール依存症だ。 毎晩寝るまでずっと飲んでいるパターンも多い。 この場合は夜と言うこともあるし夕食を摂りつつなので 分かりにくい。だが確実にアルコール依存症…

401 アルコールと金の問題

気が付けば400回を超えていた。我ながらすごいな。 これでも何十話も削除したんですが。看護師に言われて。 今思い出しても腹が立つが、もう遅いので諦める。 さて。昨年5月までの5年~10年間、俺は酒害にまみれていた。 会社の売り上げがどうだろうと、何よ…

400 部屋に限っての変化 その3

続きものです。「その1」はこちら sugiyama-yuuichi.hatenablog.com 「その2」はこちら。宜しかったら是非。 sugiyama-yuuichi.hatenablog.com 10月1日、俺は退院し、今度こそ自宅に戻った。 小樽からの移動は元妻の運転で息子も同行した。 息子の部屋から…

399 部屋に限っての変化 その2

398 部屋に限っての変化 その1 からの続きです。 宜しかったら以下からご確認くださいませ。 sugiyama-yuuichi.hatenablog.comその後2回の外泊訓練があった。 全3回でむしろ良かったと俺は思った。本来の姿、8回だったら、二か月にわたって二泊三日の 帰宅…

398 部屋に限っての変化 その1

今のマンションに引っ越してきたのは、 離婚して家族がバラバラになると決めた 昨年のGWあたりだ。かなりの件数を内検したんだ。元妻も一緒に。 その中で建物、立地、間取り、広さ、全てにおいて 今の物件が最高だったんだ。 GWに引っ越しをし、5月25日…